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LIMAジャパンは、2月20日水曜日、午後4時からLIAMジャパン会議室におきまして、「アプルーバル担当者ミーティング」を行いました。アプルーバル(商品監修)業務を担当するライセンサー、ライセンスエージェント、マスターライセンシーの方15名に出席いただきました。

各自が、自分はここで判断に迷う/困る ことあったのだがみなさん、どうされてます?という投げかけに対し、答えられる人がランダムに自分の経験談を話すという形式で進行しました。結果として、たいへん活発に意見交換がされる有意義な会になりました。

【参加者属性】
業  種: 玩具、ゲーム、アパレル、音楽、食品、ライセンスエージェント業、広告代理店
立  場: ライセンサー、エージェント、マスターライセンシーであるが、プロパティによって複数の立場にたつことがほとんど。また、ライセンサーであっても、社内のクリエーターや、業務委託している社外のクリエイティブディレクターの承認をとる立場となるなど、自分で最終判断を下すケースがないことがほとんどである。
【主な議題】
(1) 承認作業時に起こるトラブルの回避・解決方法
  • プロパティの世界観とトレンドや市場の需要との間に乖離があり承認が難しい時、どちらを優先して承認を行うべきか
  • 明日迄に承認してほしいというライセンシーからの要求にどのように対応しているか
  • ライセンサーの承認を得にくいデザインや企画を通すとき、有効な手段は?
  • アプルーバルシートに書きにくいもの(アプリ、屋外広告等)の監修方法
(2) スタイルガイドについて
  • 更新頻度や、アセット(ポーズ集)のボリューム、費用等について悩み
  • 印刷物 or データのメリットとデメリット
  • 細部にまでブランド/キャラクターの世界観を表現している事例紹介(データを渡すUSBメモリのデザインにもこだわりの例)
  • ファッションは、トレンドやデザインの方向性を年に2回提示
  • 玩具、キャラクター系は、テーマでまとめたデザイン集を出し、市場でのデザインがばらけないようにしている
(3) 手順、システム
  • アプルーバル提出や承認は、メール添付か、オンラインシステムか
  • アプルーブされた過去のファイルの保管、共有方法
  • たとえばLIMAジャパンに業界共通のシステムの提供をしてほしい
  • アプルーバルシート記載内容、実例共有
  • 監修期間は何日と契約で決まっているか、および実際はどのくらいの期間で返答を出しているか
(4) その他
  • 監査について
  • 証紙発行について
【まとめ】
  • アプルーバル業務は、プロパティの世界観と営業戦略をベースにデザインと数字のバランスをとる重要な仕事であるため、双方の理解を深める努力が必要。
  • 基本スタンスとしては、売上につながることをさまたげないことが重要であり、契約書の内容に縛られず、現場で柔軟に対応できるようにする。ただし、契約違反によるリスクはライセンシーがとることをあらかじめ書面で確認しておく。
  • 商品デザインがバラバラのイメージにならないように、充実したスタイルガイドの提供が必要。各国の独特の慣習や、好みの色等市場特性に合わせる必要も考慮。
  • アプルーバル監修、ファイル保存~共有のシステムは、効率化のために必要であるがコストやシステムの知識が必要で実現できていない。グローバル企業の場合はシステムが提供されているが、ライセンシーとの間は英語が扱えない場合が多く、アナログになり効率が落ちてしまう等問題あり。
  • 常に交渉がつきまとうため、小さな信頼の積み重ねによる、話を通しやすい関係を構築しておくことも大事。
  • 一連の作業やファイルをデジタル化しておくことによって、他国や別プロジェクトへの展開をスムーズにし、売上げ拡大につなげることができるため、それも意識してファイルしていく。
【事務局より】
ミーティングの最後に参加者の方にそれぞれ感想を述べていただいたところ、他の方も同じような悩みがあったり、参考になる話が多く参加してよかった、というものが多かったです。他社の同じ仕事をしている方と、業務について意見交換できる機会はあまりないため、今後も相談相手としてつながっていくことができたらいいなという意見もいただきました。開催の目的は達成できたようでほっとしました。
  <課題>
  • ハンドブック作成検討(勉強したくても本もなく、手探りで困っていたという意見あり)
  • システム提供検討(雛形となるシステムをご提供いただける会員様がいらっしゃるのでそれをベースにLIMAのシステム提供を検討する)

 

【次回】
次回別のテーマで集まりたいという意見もいただけました。(他社のプロパティ育成や、成功したビジネス展開の事例)
テーマを絞った小さいグループで密な情報交換の会を随時開催していきたいと思います。

ご出席いただきました皆様、ありがとうございました。

20130224

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